暗号資産は確定申告が必要?税金について解説

暗号資産は確定申告が必要?

暗号資産取引を行った場合、一定の利益を超えると確定申告が必要になります。 年収2,000万円以下のサラリーマンや年収400万円以下の公的年金受給者に関しては、暗号資産で得た所得が20万円を超えた場合、確定申告が必要です。 それ以外の方は、暗号資産の所得のほか全ての所得を合算して48万円を超えた場合に確定申告が必要です。 なお暗号資産の所得は、売却して円に換金した時だけではなく、ビットコイン→イーサリアムなど別の暗号資産に交換した時、暗号資産で家電などの物品を購入した場合にも発生します。 交換した場合には、交換時の時価(円換算額)が暗号資産の所得に関する収入金額となり、物品購入の場合にはその購入金額が収入金額になります。 所得計算にあたっては、収入金額から暗号資産の購入金額を差し引き、さらに暗号資産取引にかかった通信費・電気代・PCスマホ関連費用も差し引くことが可能です。

暗号資産はどの所得になる?

確定申告にあたっては、所得が10種類あることを理解する必要があります。 10種類の所得とは、利子所得・配当所得・不動産所得・事業所得・給与所得・退職所得・譲渡所得・山林所得・一時所得・雑所得です。 暗号資産は暗号資産と名付けられたこともあり、株式売却と同様に譲渡所得に該当するようにも思えるのですが、正解は雑所得です。雑所得は他の9種類の所得に該当しない「その他所得」を意味します。 これは暗号資産が株式と異なり資金決済手段と位置付けられているからで、法定暗号資産同士の交換で生じる為替差益と同様に雑所得に分類されます。 ただし個人事業主が事業用の物品を暗号資産で購入した場合など、事業に付随するものは事業所得に該当します。

暗号資産の税金の計算方法

暗号資産の税金ですが、雑所得や事業所得以外の所得とも合算して算定されます。 住民税の税率は10%ですが、所得税に関しては下記のように課税総所得金額に応じて適用税率が変わり、最高税率は45%にもなります。 ○課税総所得金額と所得税率の関係 ・195万円以下の部分:5% ・195万円~330万円の部分:10% ・330万円~695万円の部分:20% ・695万円~900万円の部分:23% ・900万円~1,800万円の部分:33% ・1,800万円~4,000万円の部分:40% ・4,000万円超の部分:45% 例えば、会社の年末調整で計算された課税給与所得の金額が200万円、暗号資産取引で生じた所得が50万円であれば、課税総所得金額は250万円のため、所得税は195万円×5%+(250万円-195万円)×10%=15万2,500円です。 住民税は250万円×10%=25万円です。なお少額ですが、さらに所得税額×2.1%の復興特別所得税もかかってきます。上記の事例では、15万2,500円×2.1%=3,200円(100円未満は切り捨て)が復興特別所得税の額です。

確定申告の流れ

まず確定申告にあたっては、複数の書類を用意する必要があります。サラリーマンや年金受給者の投資家であれば、 ・源泉徴収票 ・暗号資産の計算書(国税庁提供のExcelファイル) ・暗号資産取引所が発行した年間取引報告書 ・マイナンバーのわかるもの ・本人確認書類 を用意します。 暗号資産の所得に関しては、暗号資産の計算書(総平均法用)のExcelファイルに対し、年間取引報告書に記載された期中購入数量・金額と売却数量・金額、手数料等を入力して計算を行います。そのほか、通信費などの必要経費があればそれも入力します。 確定申告の手続きは、国税庁「確定申告書作成コーナー」https://www.keisan.nta.go.jp/において、下記の手順で行います。 ・源泉徴収票の転記 ・暗号資産の計算書で計算した所得の入力 ・住民税徴収方法の選択(「自分で納付」を選択すると副業バレがおきない) ・所得税納付方法の選択(コンビニ納付が便利) ・マイナンバーの入力 ・確定申告書・QRコードの出力・印刷 確定申告書には、マイナンバーのわかるものや本人確認書類のコピーを添付します。申告書は税務署の窓口だけでなく、郵送でも提出できます。申告書の提出・所得税の納付はいずれも、所得発生年の翌年3月15日まで行わなければなりません。

他の投資方法との課税方式の違い

暗号資産取引の課税方式は、株式投資や国内登録業者を利用したFXとは異なります。なお、海外業者のFXに関しては暗号資産取引と同一です。 株式投資や国内FXは、発生した所得に対して所得税率15%(復興特別所得税をあわせ15.315%)・住民税5%と一定の税率である点が暗号資産とは異なります。 また株や国内FXで損失が発生した場合は、発生年の翌年以降最大3年間は繰り越すことができ、3年間の税負担を軽減することができます。 例えば2020年に株取引で30万円の損失が発生し、2021年には50万円の所得を得た場合は、2021年に株取引から発生する税金は、(50万円-30万円)×20.315%=40,600円(100円未満切り捨て)であり、税率は株取引以外の所得に影響されません。 暗号資産や海外FXでは、このような損失の繰越は認められていない点に注意が必要です。

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